オノマトペって、実は、とっても身近なことば
オノマトペって、どんなことば?
「オノマトペ」というと、知らない方も多いかもしれません。でも、実はとっても身近なことばなのです。
例えば、私たちは小さい子どもへ語りかける時、この「オノマトペ」を自然に使っています。子どもを抱っこしながら「ぎゅ~っ!」と言ったり、飛行機のおもちゃを飛ばすふりをしながら「びゅーん」と言ったり、雨の日に歩きながら「ざあざあだね」とおしゃべりしたり…。
こんなふうに、身の回りの音や声、動きやものの状態などを音で表現したことばのことを、「オノマトペ」と言います。聞き取りやすくマネしやすいこと、意味がイメージしやすいことから、小さな子どもにも理解がしやすく、ことばの発達との関連について研究がすすめられているそうです。
ボールの転がるさま、落ちるさま、跳ねるさまを音にする
私が受けた療育では、言語聴覚士の石上志保先生も、息子(当時2歳)が注目している物や興味あるあそびに対して、この「オノマトペ」を使って息子に語りかけました。
例えば、こんな感じです。
当時、息子はボールを転がすのが好きで、公園の滑り台で、ひたすら無言でボールを転がすという遊びを繰り返していました。
そんな時、私は「ほら、見て。ボールだね。青色だね。青色のボールが転がってるね」などと話しかけていました。
ですが、石上先生はそういう話しかけはせず、「ころころころ…ころ…ころ…」「ぽんっ!」「ぽーん!」などと、ボールの転がるさま、落ちるさま、跳ねるさまを音にして、息子に語りかけました。
こんな語りかけがあったの?
今まで、名詞カードや図鑑、絵本などで、物の名前ばかりを使って語りかけをしていた私にとっては、目からウロコの語りかけでした。
次回は、この「オノマトペ」を使った語りかけが、なぜ、ことばの発達がゆっくり目の子どもにとって有効なのか? その理由を綴りたいと思います。